2011年度 授業内容

言語学専修課程(学部)および大学院との共通授業

夏学期・通年

月曜5限
講義題目
(Course Title)
日本手話研究 (1)
担当教員
市田 泰弘・赤堀 仁実
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
自然言語のひとつであり、ろう者の母語である日本手話について、その言語学的分析と実技の初歩を学ぶ。
まず導入として、手話言語を母語とするろう者コミュニティの特徴、手話言語とその地域で話される音声言語との複雑な関係についてふれる。
言語学的分析としては、日本手話の語彙体系と文法体系について、認知言語学の立場からそのアウトラインを紹介する。
実技に関しては、ネイティブであるろう者が直接教授法の一つであるナチュラル・アプローチによってその初歩を指導する。シラバスは基本的にトピック・シラバスを採用し、日本手話で自己紹介(生い立ちと日常生活の簡単な紹介)ができることを目標とする。また、音韻と基本文法の獲得をめざす。
ほかに、ろう者特有の「文化」である「ろう文化」について、ネイティブのろう者と手話通訳を介してディスカッションする機会を設ける予定である。
授業のキーワード
(Keywords)
手話、言語学、ろう者、ろう文化、認知言語学
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
理論と実技を1対2の割合で行う。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
数回のレポートと授業への出席状況および授業態度を総合して評価する。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
手話は視覚言語であるため、必要な場合は眼鏡等を準備すること
関連ホームページ
(Course-Related Websites)
http://slling.net
メールアドレス
(E-mail Address)
ichida-yasuhiro@rehab.go.jp


火曜2限
講義題目
(Course Title)
日本語教育と日本語文法
担当教員
菊地 康人
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
日本語を母語としない人に対する日本語教育は、(1)日本語そのものを十分に分析するとともに、(2)「それを学習者にどのような方法で伝えると(学習者がどのように学習すると)、よく理解でき、適切に日本語が使えるようになっていくか」を考えて、(3)その方法を編み出し、実際に教育する(学習をサポートする)、という多面的で奥深い活動である。既成の学問でいえば日本語学・対照言語学・第二言語習得・学習心理学など、多くの分野の成果を参照しつつ、究極的には、学習者と向き合いながら教授者のセンスで設計していく魅力的な活動でもある。  本講では、日本語教育について、特に文法面を中心に見る。体系的に見る面と、特定の題材(項目)について深く分析する面とを設ける。また、時には日本語教育を離れて、日本語文法そのものについてさらに分析を深める機会も作る。  具体的な題材の例としては、「は・が」「連体修飾」「可能文・難易文」「補助動詞(てしまう・ておく等)」「のだ・わけだ・はずだ」「評価副詞」「……にとって」などを候補として考えているが、この他の可能性も含めて、学生諸君とも相談して決める(継続受講者に配慮して、昨年度とは重複しないようにする)。  以上を直接の目標としつつも、「ことばの魅力と奥深さを味わい、ことばを分析するセンスを養うこと」「〈日本語らしさ〉を探ること」「語学教育は言語学的な知識だけではできないことを知ること」なども、本講の目標である。
授業のキーワード
(Keywords)
日本語教育、日本語文法
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義形式を主としつつも、学生諸君からの発言を歓迎し、ともに考えていく授業にしたい。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
期末レポート,授業参加,授業出席率
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
予備知識は特に求めないが、十分に出席することと、自分でことばを観察・分析する意欲をもつことは、受講の必須条件である。
その他
(Others)
日本語学習用の教科書を指定し、それを参照する形で授業を進める可能性もある(諸君と相談した上で決める)。


火曜4限
講義題目
(Course Title)
認知文法入門 (1)
担当教員
西村 義樹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
認知文法(あるいは認知言語学一般)の基本的な考え方やこの理論の観点からの具体的な言語現象の分析手法を学ぶ。比較的読みやすい論文や本(英語または日本語)の一部を用いる予定。今年度からは授業で扱う文献を全て読み通すことを要求する。文献のマスター・コピーはこちらで用意するが、今年度からはそこから出席者が各自でコピーを取ること。
授業のキーワード
(Keywords)
cognitive grammar、the symbolic view of grammar、conceptual semantics、grammatical constructions、the lexicon-grammar continuum
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と発表の組み合わせ
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席、授業中の発表、学期中および学期末のレポート
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
授業中に指示する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


火曜5限
講義題目
(Course Title)
認知文法研究
認知文法と言語類型論 (1)
担当教員
西村 義樹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
下記の書物を教科書とし、その内容を正確に理解した上で、そこで扱われているトピックを認知文法の観点から捉え直す作業を通して、この理論が言語類型論にどのような貢献をすることが可能かを考察する。関連する文献のうち授業で扱うもの(英語または日本語)のマスターコピーはこちらで準備するが、今年度からはそこから出席者が各自でコピーを取ること。今年度は、教科書のみならず授業で扱う全ての文献を読み通すことを要求する。「認知文法入門」の内容を前提とするので、この理論に初めて接する人は「認知文法入門」を合わせて受講することを強く勧める。
授業のキーワード
(Keywords)
linguistic typology、cognitive grammar、language universals、syntax、semantics
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
 
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席、授業中の発表、学期中および学期末のレポート
教科書
(Required Textbook)
Bernard Comrie (1989), Language Universals and Linguistic Typology. (Second Edition) The University of Chicago Press.
参考書
(Reference Books)
授業中に指示する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


火曜5限
講義題目
(Course Title)
言語学とフィールドワーク
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
この授業では、日英語を含む世界中のさまざまな言語の例をもとに、言語の背後にあるしくみを皆さんに考えてもらうことを目指しています。
世界には、話者が少なくなって消滅に瀕している言語や、碑文・写本などの記録しか残っていない言語がたくさんありますが、それらの言語の中には、私たちの常識やものの見方を覆すような興味深い現象があったり、どうやって習得するのか不思議になるほど複雑な文法を持つものが少なくありません。
言語学では、英語、日本語など話者数の多い言語の研究も行いますが、それに加えてこうしたマイナーな言語を研究することで、それらの言語が内包している「知の体系」を解明・記録して、私たちの視野を広げ、異文化を理解し、知的世界を豊かにすることを目指しています。
なお、本科目を履修するに当たって、言語学の知識は必要としません。科目名には「フィールドワーク」とありますが、単位取得のために校外でフィールドワークを行う必要はありません。
授業のキーワード
(Keywords)
言語学、フィールドワーク、文法
授業計画
(Schedule)
次のような順で進めていく予定です。
1. いわゆる「サピアの仮説」‒私たちはことばで世界を切り分けているのか?
2. ブロークンって言わないで‒周縁部は言語の宝庫
3. どうして不合理な文字体系を使うのか?
4. どうして3単現のsをつけ忘れるのか‒類型論と有標性
5. マイ音韻法則を見つけよう
6. 構造としての言語-音韻の構造を見つけよう
7. 言語変化は誰が始めるのか-社会言語学のアプローチ
8. なぜリスニングは難しいか‒「音素」への遠い遠い道のり
9. 文や品詞は定義できるか-言語による範疇の違い
10. 意味による語のグループ分け‒私たちの頭は言語をどう格納しているか
11. どうして An apple is. って言わないのか‒情報構造と語順
12. どうして疑問文で語順が変わるのか‒チョムスキーと生成文法
13. 知って得する英語の前史‒通時相から見えてくるもの
14. 系統論とトンデモ系統論‒言語をどうグループ分けするか
授業の方法
(Teaching Methods)
毎回授業内で皆さんに考えてもらう問題を出し、それをもとに授業をすすめます。 なるべく皆さんにも質問や発言をしてもらって、一緒に考える授業にしたいと思っています。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
課題提出(50%)とレポート(50%)によって評価します。
教科書
(Required Textbook)
プリントを配布します。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
この授業では、毎回何か問題を出す予定にしています。つまり出席が重要ですので、遅れないように努力してください。欠席するときや欠席したときはメールで連絡ください
関連ホームページ
(Course-Related Websites)
http://www.gengo.l.u-tokyo.ac.jp/indexj.html
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


水曜2限
講義題目
(Course Title)
音韻論研究(1)-現代音韻論の展開
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
この演習では、初期の生成音韻論から自律分節素音韻論、素性階層論、不完全指定理論、最適性理論まで概観しながら、音韻論の代表的な論文を読んで、1968年以降の音韻論の展開をたどります。それと併せて、さまざまな言語からの練習問題を解くことで、音韻論の考え方を学ぶことを目指します。
授業のキーワード
(Keywords)
生成音韻論、自律分節、素性階層論、不完全指定理論、最適性理論
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
毎回の授業では、音韻論のトピックを取り上げ、講義を行うとともに、そのトピックに関する課題を解くことで、知識の応用と定着をはかります。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席と課題提出
教科書
(Required Textbook)
プリントを配布します。
授業で読む論文については、マスター・コピーを用意します。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


水曜3限
講義題目
(Course Title)
比較言語学 (I)
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
Hans Henrich Hock, Brian D. Joseph, Language History, Language Change, and Language Relationship: An Introduction to Historical and Comparative Linguistics (2nd Edition), Mouton de Gruyter 2009の前半を教材として、比較・歴史言語学の基本的な考え方について学ぶ。
授業のキーワード
(Keywords)
比較言語学、歴史言語学、言語変化、系統論
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と課題の解説、およびディスカッション
成績評価方法
(Method of Evaluation)
毎回学習した部分について、テーマを与えられて英語で1ページの要約を提出したものが平常点となる。これに加えて学期末に、英語で答える短答式の試験を実施する。
教科書
(Required Textbook)
上記の通り。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
前年までに冬学期の「比較言語学 (2)」のみを履修したものは、夏学期の単位を取得することによって、「比較言語学」4単位とすることができる。
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


金曜2限
講義題目
(Course Title)
チュルク諸語研究
担当教員
林 徹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
ユーラシアの広い地域で話されるチュルク諸語(トルコ系諸言語)のうちトルコ語とウイグル語を中心に、(1) 音韻・形態・構文の基本的特徴、(2) 地理的・社会的バリエーション、(3) 周囲の言語からの影響、(4) 言語政策、などの視点から、これらの言語を理解することを試みる。
授業のキーワード
(Keywords)
チュルク諸語、トルコ語、ウイグル語、方言、言語接触、言語政策
授業計画
(Schedule)
チュルク諸語に関する研究文献や資料を解説したのち、議論する。
授業の方法
(Teaching Methods)
演習
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業における発表と議論
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
トルコ語、ウイグル語の知識は必要ない。
メールアドレス
(E-mail Address)
hayasi@l.u-tokyo.ac.jp


金曜3限
講義題目
(Course Title)
音声学 (1)
担当教員
林 徹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
どれほど忠実な音声・映像資料があっても、文字による記録なしには言語データとしての活用範囲が極端に限定されてしまう。この授業では、言語が書き言葉を持つか否かに拘らず、言語を「文字化」するためのツールである国際音声字母を言語調査に利用できるようになることを目標とする。音声学 (1) では各字母と記号の解説および調音の練習をおこなう。
授業のキーワード
(Keywords)
調音音声学、国際音声字母、調音器官
授業計画
(Schedule)
各字母と記号を解説した後、その表す音を聞き取り調音することができることを目標に練習する。
授業の方法
(Teaching Methods)
音声器官について概説したのち、個々の音声について調音の仕方を解説する。その後、教師の発音に従って実際に発音する。個別指導の時間を取ったり、自習のためのCDも併用する。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
筆記と実技の試験をおこなう。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
その他
(Others)
冬学期開講の「音声学(1)」と同内容。
メールアドレス
(E-mail Address)
hayasi@l.u-tokyo.ac.jp


金曜4限
講義題目
(Course Title)
類型と変化の中に見る文法のダイナミクス
担当教員
中山 俊秀
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
本講義では、現代の言語研究において広く(しばしば暗黙のうちに)前提とされている言語観、言語構造観を問い直し、現象の実態により即した人間言語の捉え方、研究方法を探る。特に、言語の構造的な多様性と言語の動的体系性に焦点を当てて議論していく。
 世界の言語の間には様々な構造的差異が見られることは異論のないところであろうが、その差異の幅と深さに関する認識には研究者間で大きなばらつきがある。しかも、そうした構造的差異が言語記述・理論形成の大枠のあり方と関連づけて議論されることは少なく、言語研究の枠組みという観点からは、言語の構造的多様性は重大な問題として意識されていない。あたかも、構造的多様性の実態は言語システムの本質を突き止める上では周辺的な現象としか意識されていないかのようである。
 また、言語の動的な性質についても同様のことがいえる。言語が絶え間なく変化しているという事実に関して異論はないと思われるが、言語の言語記述・理論形成においては、そうした変化から切り離された状態を「共時態」として想定し、その想像上の固定的なシステムを対象としてシステムの記述やモデル化がなされる。ここでも、言語の動的な実態が言語の本質の理解にはさして重要ではないと考えられているように思われる。
 つまり、現代の言語研究においては、人間言語はどれも基本的に同じ構造的な枠組みを持ち、固定的で閉じた体系として捉えられるシステム、と扱う傾向が強い。少なくとも、研究上の方法論はそうした見方を比喩として使って構成されている。
 本講義では、通言語的多様性の実態、そして言語の様々な面での動的な実態を確認しつつ、現代の言語研究の研究枠組みが前提とする言語観、言語構造観の問題性を議論し、通言語的多様性の実態、そして言語の動的な実態に立脚した言語観、言語構造観、言語研究枠組みを模索する。
授業のキーワード
(Keywords)
類型論、複雑系、文法化、言語多様性
授業計画
(Schedule)
本講義は、大きく分けて、構造的多様性の観点から言語研究の枠組みを考える前半部と、言語の動的システム性に着目した言語構造観の再編成を模索する後半部からなる。
 前半部では、品詞分類、語形成、文法関係・項構造、節構造など文法構造の根幹をなすと考えられている諸側面において、どのような通言語的な差異が見られるかを確認しつつ、言語の構造的な多様性がどれほど深いものなのか、またそうした構造的多様性を踏まえた言語研究の一般的な枠組みのあるべき形とはどのようなものなのかを考える。
 後半部では、言語の動的なシステム性に焦点をあて、現代言語学で広く前提とされている言語構造観(共時的に閉じた体系;内的論理を持った独立的体系;文法システムの全体形は普遍文法によって規定されている;文法は個人的認知能力など)が動的システムとしての言語の実態と整合がとりにくいことを確認し、人間言語の実態をより正確に踏まえた言語構造観、言語研究枠組みとはどのようなものであるかを議論する。
授業の方法
(Teaching Methods)
基本的に、取り上げる問題点を扱った論文を読み、それに基づいて講義、議論を進めていく。大学院生には、扱う論文の重要論点の報告してもらう。本講義では、まず論文や講義により問題点や論争点を確認するが、より重要なのは、そうした問題点に関する議論を重ね、それを通して人間言語の性質、言語研究の枠組みについて受講者それぞれが考えを深めることである。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
「期末レポート」「授業参加(発表・発言など)」
教科書
(Required Textbook)
特定の教科書は使用せず、論文を読んでいく。読む論文については授業時に指定する。
参考書
(Reference Books)
授業時に指定する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
議論を通して受講者各自が考えを深めるプロセスを重視するので、積極的な授業参加が必須である。また、大学院生には、指定論文の重要論点のまとめ、議論のリードをしてもらう。


冬学期

月曜4限
講義題目
(Course Title)
日本語方言アクセント研究の諸問題
担当教員
松森 晶子
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
この授業では、日本語アクセント研究の現状と課題についての解説を行うとともに、学生各自が日本語アクセントに関する研究テーマを自ら発見できるようになることを目標とする。前半は、日本語アクセントの共時的記述に関する諸概念について取り扱い、後半は、その通時的考察の方法論とその課題について解説する。
授業のキーワード
(Keywords)
アクセント、声調、琉球語、日本祖語、歴史言語学
授業計画
(Schedule)
アクセントと声調 / 強弱アクセントとピッチアクセント / アクセント体系(n+1型、N型など)/ 下げ核と昇り核 / 琉球語アクセントの共時的特徴 / アクセントを使った比較言語学的考察 / 類別語彙 / 類の統合と諸方言の系統 / 讃岐式と京阪式 / 伊吹島のアクセント / 下降式アクセントとは / アクセント変化の一般傾向 / 琉球の3型アクセント(徳之島、沖永良部島、多良間島)/ 琉球諸方言の系統 / 琉球語の比較言語学の将来
授業の方法
(Teaching Methods)
1)核(下げ核、昇り核など)、N型アクセントの諸問題、類別語彙、系列別語彙、等々、これまで日本語アクセントの共時的、通時的分析に使用された概念について解説。それによって分析することによる利点と問題点について、皆で議論する。 2)東京、青谷(鳥取)、隠岐島、頴娃(鹿児島)、甑島、伊吹島(香川県観音寺市)、奄美諸方言(徳之島、沖永良部島、多良間島)など、顕著な特徴を持つ方言の音声データを使用し、その聞き取りと分析の訓練を行う。 3)最終的に、日本語の方言(どの方言でもよい、標準語でも可)のどれかを選び、そのアクセントのデータを自分で収集し、分析した結果をレポートにまとめる。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業への活発な参加(発言、提言、質問など)(30%)、期末レポート(70%)
教科書
(Required Textbook)
なし(プリント教材を作成)
参考書
(Reference Books)
参考論文やデータベース等を、授業中に随時、紹介する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
最終レポートは、自分で仮説をたて、データを集め検証し、分析する必要があります。そのテーマは早めに考え始めてください。テーマについては、その候補を授業中に示唆することはしますが、原則として自由。あくまでも学生ひとりひとりが自分で判断し、決定する必要があります。
メールアドレス
(E-mail Address)
matumori@fc.jwu.ac.jp
研究室電話番号
(Office phone no.)
03-5981-3567 (個人研究室直通) 03-5981-3547 (日本女子大学英文学科共同研究室)


月曜5限
講義題目
(Course Title)
日本手話研究 (2)
担当教員
市田 泰弘・赤堀 仁美
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
日本手話研究(1)を履修していることを前提として、自然言語のひとつであり、ろう者の母語である日本手話について、より深く言語学的分析と実技を学ぶ。
授業のキーワード
(Keywords)
手話、言語学、ろう者、ろう文化、認知言語学
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
理論と実技を1対2の割合で行う。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
数回のレポートと授業への出席状況および授業態度を総合して評価する。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
手話は視覚言語であるため、必要な場合は眼鏡等を準備すること
その他
(Others)
履修の前提となる科目:
「日本手話研究(1)」(夏学期)または「言語学特殊講義(日本手話)」(2009年度、2010年度)
メールアドレス
(E-mail Address)
ichida-yasuhiro@rehab.go.jp


火曜4限
講義題目
(Course Title)
認知文法入門 (2)
担当教員
西村 義樹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
夏学期の「認知文法入門」の内容を前提とした講義。認知文法(あるいは認知言語学一般)の基本的な考え方やこの理論の観点からの具体的な言語現象の分析手法を学ぶ。比較的読みやすい論文や本(英語または日本語)の一部を用いる予定。授業で扱う文献を全て読み通すことを要求する。文献のマスター・コピーはこちらで用意するが、出席者は各自そこからコピーを取ること。
授業のキーワード
(Keywords)
cognitive grammar、the symbolic view of grammar、conceptual semantics、grammatical constructions、the lexicon-grammar continuum
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と発表の組み合わせ
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席、授業中の発表、学期中および学期末のレポート
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
授業中に指示する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


火曜5限
講義題目
(Course Title)
認知文法研究
認知文法と言語類型論 (2)
担当教員
西村 義樹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
夏学期の「認知文法研究」の続き。下記の書物を教科書とし、その内容を正確に理解した上で、そこで扱われているトピックを認知文法の観点から捉え直す作業を通して、この理論が言語類型論にどのような貢献をすることが可能かを考察する。関連する文献のうち授業で扱うもの(英語または日本語)のマスターコピーはこちらで準備するが、出席者は各自そこからコピーを取ること。教科書のみならず授業で扱う全ての文献を読み通すことを要求する。「認知文法入門」の内容を前提とするので、この理論に初めて接する人は「認知文法入門」を合わせて受講することを強く勧める。
授業のキーワード
(Keywords)
linguistic typology、cognitive grammar、language universals、syntax、semantics
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と発表
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席、授業中の発表、学期中および学期末のレポート
教科書
(Required Textbook)
Bernard Comrie (1989), Language Universals and Linguistic Typology. (Second Edition) The University of Chicago Press.
参考書
(Reference Books)
授業中に指示する
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


水曜2限
講義題目
(Course Title)
音韻論研究(2)-音韻論の現状と課題
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
音韻論の諸問題についての論文や、音声学や形態論など隣接分野の視点から書かれた音韻論に関する論文を読むことで、音韻論の立場と課題を考察します。音韻論と音声学のインタフェース、韻律形態論、実験音韻論、声調などを取り上げる予定です。
なおこの授業では、参加者が関心をもつ言語の現象に音韻理論を応用し、それを授業内で発表してもらうことを考えています。
授業のキーワード
(Keywords)
音韻論
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
毎回の授業では、発表とそれに関連した講義を行う予定です。
参加者は課題に加えて、自分で選んだテーマについて発表してもらいます。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
出席、課題提出と発表によって判断します。
教科書
(Required Textbook)
プリントを配布します。
授業で扱う論文についてはマスター・コピーを用意します。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


水曜2限・木曜2限
講義題目
(Course Title)
言語学概論
担当教員
林 徹・西村 義樹
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
言語学の主要な研究対象(音、語、文法、意味、コミュニケーション)を取り上げ、それらを扱うための基本的な考え方と基礎的な概念について解説する。前半は音声学、音韻論、形態論を、後半は統語論、意味論、語用論を、それぞれ解説する予定である。
 特定の教科書は用いないが、参考文献は適宜紹介する。水曜のみ、木曜のみ、前半のみ、後半のみの受講は認められない。
授業のキーワード
(Keywords)
phonetics、phonology、morphology、syntax、semantics、pragmatics
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義
成績評価方法
(Method of Evaluation)
平常点(出席重視)、学期中のクイズ、学期末試験
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


水曜3限
講義題目
(Course Title)
比較言語学 (2)
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
Hans Henrich Hock, Brian D. Joseph, Language History, Language Change, and Language Relationship: An Introduction to Historical and Comparative Linguistics (2nd Edition), Mouton de Gruyter 2009の後半を教材として、比較・歴史言語学の基本的な考え方について学ぶ。
授業のキーワード
(Keywords)
 
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と課題の解説、およびディスカッション
成績評価方法
(Method of Evaluation)
毎回学習した部分について、テーマを与えられて英語で1ページの要約を提出したものが平常点となる。これに加えて学期末に、英語で答える短答式の試験を実施する。
教科書
(Required Textbook)
上記の通り。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
前年までに夏学期の「比較言語学(I)」のみを履修したものは、冬学期の単位を取得することによって、「比較言語学」4単位とすることができる
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


水曜3限
講義題目
(Course Title)
ことばと人間
担当教員
西村義樹・唐沢かおり・木村英樹・小林正人・柴田元幸・林徹・渡邉明
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
文学部に進学予定の学生を対象に、「ことば」とそれを生み出し理解する「人間」との関係について多角的に考察する。多岐に渡る担当教員の専門(文学、社会心理学、言語学〜日本語、英語、中国語、チュルク諸語、インドの言語等〜)を活かして、言語そのものの構造だけでなく、それを取り巻く人間と人間社会との相互作用にも目を向ける。
授業のキーワード
(Keywords)
ことば、社会、人間、多文化、こころ
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
担当教員のリレー講義およびディスカッション
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業への参加およびレポート
教科書
(Required Textbook)
教科書は指定しない。必要に応じて授業内で資料を配布する。
参考書
(Reference Books)
授業中に指示する
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


水曜4限
講義題目
(Course Title)
音声学 (1)
担当教員
林 徹・小林正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
どれほど忠実な音声・映像資料があっても、文字による記録なしには言語データとしての活用範囲が極端に限定されてしまう。この授業では、言語が書き言葉を持つか否かに拘らず、言語を「文字化」するためのツールである国際音声字母を言語調査に利用できるようになることを目標とする。音声学 (1) では各字母と記号の解説および調音の練習をおこなう。
授業のキーワード
(Keywords)
調音音声学、国際音声字母、調音器官
授業計画
(Schedule)
各字母と記号を解説した後、その表す音を聞き取り調音することができることを目標に練習する。
授業の方法
(Teaching Methods)
音声器官について概説したのち、個々の音声について調音の仕方を解説する。その後、教師の発音に従って実際に発音する。個別指導の時間を取ったり、自習のためのCDも併用する。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
筆記と実技の試験をおこなう。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
その他
(Others)
夏学期開講の「音声学(1)」と同内容。
メールアドレス
(E-mail Address)
hayasi@l.u-tokyo.ac.jp


木曜2限
講義題目
(Course Title)
印欧語比較研究
担当教員
小林 正人
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
James Clackson, Indo-European Linguistics: An Introduction, Cambridge: Cambridge University Press, 2007. を読んで、インド・ヨーロッパ語比較言語学の基礎を学ぶ。ここで扱われる諸言語の予備知識は必須ではないが、自分で調べて各章の練習問題を解くことが求められる。
授業のキーワード
(Keywords)
印欧語、比較言語学、歴史言語学
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義と課題についての発表、およびディスカッション
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業の出席と、練習問題や課題の提出状況によって評価する。
教科書
(Required Textbook)
上記の通り。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
masatokob@gmail.com


木曜3限
講義題目
(Course Title)
書記言語の通時的研究における諸問題
担当教員
西村 義樹・永澤 済
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
 
授業のキーワード
(Keywords)
 
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
 
成績評価方法
(Method of Evaluation)
 
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


木曜4限
講義題目
(Course Title)
中国語中古音入門
担当教員
遠藤 光暁
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
中古音とは狭義には隋の陸法言『切韻』(AD.601年)の反映する音韻体系である。これは中国語音韻史をたどる上で,その前の時代に遡る場合もその後の時代への変化を跡づける場合にも出発点となる最も基本的なものであり,日本・韓国・越南漢字音の主層が形成された唐代とも近いことから,それらの言語の音韻史を研究するためにも重要な参照系となるものである。この講義では『韻鏡』などの等韻図に現れる諸概念も含めて,その基本的な事柄を概説する。
授業のキーワード
(Keywords)
音韻史、漢字音、中国語、言語史、隋唐代
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
初回には日本語の五十音図にも反映したインドの音声学「悉曇学」に由来する「字母」の概念について説明する。中国語は日本語よりも音節構造がずっと複雑なので,五十音では収まらず,3000ほどの音節を表示するため43枚の図を使用した『韻鏡』などの韻図が発達した。その音韻体系を表示するための諸用語や音価の推定に関する諸問題を15回の授業で扱う。
 予備知識は必要なく,できるだけ現代日本語に大量に含まれている日本漢字音に照らして理解できるように説明するが,現代中国語(北京語)ないし他の現代方言,時には韓国語,ベトナム語の知識があるとなお理解しやすいはずである。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
期末レポート。学期中に簡単な課題をやってきてもらうこともある。
教科書
(Required Textbook)
なし。
参考書
(Reference Books)
平山久雄「中古漢語の音韻」,牛島徳次ほか編『中国文化叢書1言語』大修館書店,1967年。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


金曜2限
講義題目
(Course Title)
ダイクシス研究
担当教員
林 徹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
言語は、現実の運用を見れば、用いられる環境と不可分の関係にある。すべての発話は、それが発せられる実際の環境と結びつけられて初めて具体的な意味を担い得るからである。このような言語の特徴をダイクシスという。特に代名詞、指示詞、「来る」「行く」のような動詞は、ダイクシスに注目せずにその意味を確定することが難しいため、ダイクシス表現 (deictics) と呼ばれる。この演習では、さまざまな言語のダイクシス表現に関する論文を講読し、議論する。希望があれば、ダイクシス表現に関する簡単な調査を共同でおこなうことも考えている。
授業のキーワード
(Keywords)
ダイクシス、指示詞、代名詞、空間、人称
授業計画
(Schedule)
授業の初回に示す。
授業の方法
(Teaching Methods)
ダイクシス表現について発表された論文等を読んで議論する。参加者は最低1回、論文を担当し発表する。また、発表での議論を踏まえたレポートを提出する。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
発表、レポート、議論への参加度によりおこなう。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
hayasi@l.u-tokyo.ac.jp


金曜3限
講義題目
(Course Title)
音声学 (2)
担当教員
林 徹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
どれほど忠実な音声・映像資料があっても、文字による記録なしには言語データとしての活用範囲が極端に限定されてしまう。この授業では、言語が書き言葉を持つか否かに拘らず、言語を「文字化」するためのツールである国際音声字母を言語調査に利用できるようになることを目標とする。音声学 (1) は各字母と記号の解説および調音の練習をおこなう。音声学 (2) では、その知識と技能を応用できるよう、音声の聞き取りの練習に重点を置く。簡単な語彙調査の実習もおこなう予定である。
授業のキーワード
(Keywords)
調音音声学、国際音声字母、調音器官
授業計画
(Schedule)
音声を聞き、それを国際音声字母を使って記録する練習をおこなう。
授業の方法
(Teaching Methods)
講師が発音する音声を区別する練習、国際音声字母を使って書き取る練習をしたのち、ある言語の母語話者を教室に招き、受講者ひとりひとりが実際に質問し、語を聞き取る簡単な語彙調査の実習をおこなう。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
筆記と実技の試験をおこなう。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
「音声学 (1) 」の履修者に限る。
メールアドレス
(E-mail Address)
hayasi@l.u-tokyo.ac.jp


集中講義
講義題目
(Course Title)
文献を用いた言語研究の方法:中央アジア出土文献を資料にして
担当教員
吉田 豊
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
言語の歴史を研究するためには,過去の文献を利用は必須である.本講義では,文献に残された死語の研究について解説し,研究を行う方法や研究の実際,さらには逢着する研究上の困難な問題について講義する.その際,講師の日常の研究対象である中央アジア出土文献,とりわけイラン系の言語の文献を例にする.
授業のキーワード
(Keywords)
歴史言語学、中央アジア、文献研究、イラン語、ソグド語
授業計画
(Schedule)
最初に中央アジアで出土する一つの文献を例に取り,研究の具体的なプロセスや用語の紹介を行う.また文献を用いた言語研究の言語学の中の位置づけについても見てみる.次に以下のようなテーマに従って研究の方法や実際について解説する.
1) 音韻の解明:漢字音を使った研究.中央アジアは漢語とイラン系の言語が接触した地域であり,漢字によってイラン系の言語を表記した資料や,イラン系の文字によって漢字音を表記した資料が出土している.それらを使って,当時のイラン系の言語や漢語の発音を推定する方法と実際.
2) 言語接触による言語変化について.シルクロードは民族や言語の坩堝であり,日常的に言語接触が行われた.その結果,言語は変化することになった.変化は単なる語彙の借用から文法構造の変容にいたるまで様々であった.イラン系の言語とインド系の言語およびチュルク系の言語の接触の実態を文献から探る.
3) 原典の解明と言語研究.翻訳文献では原典が比定できれば,内容の理解が飛躍的に向上し,言語の解明に大いに資することになる.仏教文献はその最も代表的な例である.
4) 文献の解読と歴史研究およびその他の問題.碑文や世俗文書の解読は直接的に政治史や文化史の解明に貢献する.これは必ずしも言語の研究ではないが,文献研究の醍醐味でもあり重要な存在意義でもある.実例をみながらその点を解説する.他にも,破損の著しい資料の取り扱いや,偽物とのつきあい方,コディコロジーについての知識など独特の問題があり,時間の許す範囲で解説する.
授業の方法
(Teaching Methods)
最初に取り扱う資料である出土文献や碑文の写真を見て,文字表に従って文字を読み取る作業の一端を実体験してもらう.その後,当該の文献に関する研究史や研究上の問題などを講義形式で解説する.疑問点があれば随時質問を受付け講義内容の理解を深めてもらう.授業で用いる資料類はプリントとして配布する.
成績評価方法
(Method of Evaluation)
レポートによって評価する.
教科書
(Required Textbook)
なし
参考書
(Reference Books)
G. Windfuhr (ed.), The Iranian languages, London and New York, 2009.
R. E. Emerick and M. Macuch (eds.), The literature of pre-Islamic Iran, London and New York, 2009.
R. Schmitt (ed.), Compendium Linguarum Iranicarum, Wiesbaden, 1989.
『三省堂 言語学大事典』東京 vols. 1-5;別巻, 1988-2001.
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


大学院言語学専門分野の授業

夏学期・通年

火曜3限
講義題目
(Course Title)
言語学演習
担当教員
全教員
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
大学院生が研究発表をし、それを教員や他の大学院生が批判・検討することにより、各自が研究を一層進めることを目標とする。
授業のキーワード
(Keywords)
 
授業計画
(Schedule)
研究室でのガイダンス(4月7日)に年間のスケジュールを決める
授業の方法
(Teaching Methods)
受講者は発表を1回おこない、他の発表に対するコメンテータを2回勤めなければならない。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業参加(発表・発言など)
授業出席率
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
言語学専門分野所属の大学院生・研究生に限る。


水曜3限
講義題目
(Course Title)
音響音声学
Topics in Acoustic Phonetics
担当教員
廣瀬 啓吉
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
音声の生成について学び、音声分析、音声合成、音声認識などの工学的応用にどうつながっているのかを知る。
授業のキーワード
(Keywords)
 
授業計画
(Schedule)
夏学期は特に音響音声学の観点から音声生成に関して輪講する。(どのようにして音声のスペクトルが得られるのかなど。)冬学期はLPC分析、テキスト音声合成、隠れマルコフモデル、韻律の処理など、音声分析・合成・認識等の工学的な側面に関して講義を行う。最後の2回程度の時間を計算機を利用した音声処理に当てる予定であるが、講義の進行具合による。(進め方については、初回の講義の際に相談する。)
授業の方法
(Teaching Methods)
前半は英文の書籍を輪講。後半は講義。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
レポート
教科書
(Required Textbook)
Speech Communications: Human and Machine, By Douglas O'Shaughnessy, IEEE Press (初回の授業の際に、コピーしてもらいます。)
参考書
(Reference Books)
適宜プリント配布
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
hirose@gavo.t.u-tokyo.ac.jp


水曜4限
講義題目
(Course Title)
日本文法研究
担当教員
尾上 圭介
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
 主語・題目語(主題)と述語をめぐって、問うべきことを整理し、全体的にかつ根源的に考える。
 主語と題目語(主題)の関係はどういうものなのか。そもそも、日本語文法においては主語と題目語という二つの概念がなぜ必要なのであろうか。
どの言語(対格言語)にも申し合わせたように主語と述語がある。そもそも、述語を持つ文は原理的に主語を持つと言える。それはどういうことか。主語の述語に対する意味関係は、諸言語において、少しの差異を含みつつ大きくは共通している。なぜなのか。そうあるものをあると言うだけなら理論は要らない。文に主語というものがある理由を、根源的に求めたい。そもそも「語的概念を材料として文としての意味を実現する」とはどういうことかというところから始め、日本語の主語をめぐる事実を丁寧に検討することを通じて、「主語とは何か」「日本語の主語はどのように規定できるか」を論じていく。
 日本語の文の基本的な骨格は「主語―述語」構造ではなく「題目語(主題)―叙述部」構造だとする見方がある。中には、日本語には主語がないという人さえいる。それはどういう考え方か。これを検討する中から、①主語という概念の二つの理解の仕方や、②主語と題目語の関係、③文の構造の二面(論理的格関係と表現上の落差構造と)の緊張関係について、理解を深めていく。
 題目語についても、①助詞「は」自身の性質と題目語を形成する(場合がある)という働きとはどのような関係にあるか、②係助詞とはどういうものか、その中で「は」はどういう位置にあるのか、③「~は」という形でありながら題目語とは言えない場合があるのはなぜか、ということを考えていく。
 そのあとで、①主語と題目語の異次元性と近接性、②「は」と「が」の使い分けの実態とその記述しにくさの理由、③主語に「は」も「が」も使えない文、についても説明する。
授業のキーワード
(Keywords)
主語、題目語(主題)、述語、述定文、「は」、「が」
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
講義による。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
筆記試験
教科書
(Required Textbook)
用いない。
参考書
(Reference Books)
尾上圭介「主語と述語をめぐる文法」(尾上編・朝倉日本語講座6巻、2004)、尾上圭介『文法と意味Ⅱ』(2011近刊)ほか、必要なものを授業の中でそのつど指示する。
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 
メールアドレス
(E-mail Address)
onoe@l.u-tokyo.ac.jp


水曜5限
講義題目
(Course Title)
韓国朝鮮語文法研究 (1)
担当教員
福井 玲
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
韓国朝鮮語の開化期(19世紀末~20世紀初頭)における文法研究を概観する。韓国朝鮮語母語話者による文法研究のみならず,西洋人や日本人による著作も見ていく。また日本の対馬で伝統的に行われていた韓語教育に関する資料なども見ていく。
授業のキーワード
(Keywords)
開化期、韓国朝鮮語文法、対馬
授業計画
(Schedule)
夏学期は主として,韓国朝鮮語母語話者による文法書,西洋人による文法書,日本人による文法書などを概観する。
授業の方法
(Teaching Methods)
当初は講義形式で代表的な文法書を紹介していき,注目すべき点について適宜参加者と議論を行う。後半で参加者が各自この時期の文法書などを自分で選択してそれについて発表してもらう。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
平常点と、授業での発表の評価による。
教科書
(Required Textbook)
プリントとして配布する。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
履修者は韓国朝鮮語を学習していること。


金曜5限
講義題目
(Course Title)
漢字の歴史
担当教員
大西 克也
単位数
4
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
漢字の誕生から我々が使う楷書の成立に至る変遷を概観し、漢字の性質や変化のメカニズム等を考える。豊富な新出土資料、一次資料を利用して、各時代におけるさまざまな漢字のありさまを紹介する。
授業のキーワード
(Keywords)
漢字、歴史、変化、出土資料
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
テキストと補充資料により、解説を行う。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
平常点とレポートで評価する。
教科書
(Required Textbook)
宮本徹・大西克也編著『アジアと漢字文化』、放送大学教育振興会、2009年。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


冬学期

水曜2限
講義題目
(Course Title)
精読・中国語文法研究
担当教員
木村 英樹
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
中国語で書かれた現代文学作品をテキストに用い、語学および言語学的な観点からさまざまな問題を探りつつ、精読し、語彙、品詞、文法範疇、文法構造等々の中国語文法に関わる基本的な諸概念や術語についての理解を深める。教材は開講時に指定する。
授業のキーワード
(Keywords)
 
授業計画
(Schedule)
 
授業の方法
(Teaching Methods)
現代文学作品を講読しつつ、演習形式で討議と解説を行う。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
授業時の発表・発言および期末レポートにもとづいて評価する。
教科書
(Required Textbook)
 
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
 


水曜5限
講義題目
(Course Title)
韓国朝鮮語文法研究 (2)
担当教員
福井 玲
単位数
2
授業の目標・概要
(Course Objectives/Overview)
韓国朝鮮語の開化期(19世紀末~20世紀初頭)における文法研究を概観する。韓国朝鮮語母語話者による文法研究のみならず,西洋人や日本人による著作も見ていく。また日本の対馬で伝統的に行われていた韓語教育に関する資料なども見ていく。
授業のキーワード
(Keywords)
開化期、韓国朝鮮語文法、対馬
授業計画
(Schedule)
冬学期は対馬で伝統的に使われていた韓語学習資料を概観しつつ,文学部小倉文庫所蔵の中村庄次郎筆写資料の性格を明らかにする。
授業の方法
(Teaching Methods)
当初は講義形式で代表的な文法書を紹介していき,注目すべき点について適宜参加者と議論を行う。後半で参加者が各自この時期の文法書などを自分で選択してそれについて発表してもらう。
成績評価方法
(Method of Evaluation)
平常点と、授業での発表の評価による。
教科書
(Required Textbook)
プリントとして配布する。
参考書
(Reference Books)
 
履修上の注意
(Notes on Taking the Course)
履修者は韓国朝鮮語を学習していること。



[時間割] 「時間割」に戻る

[Back to Home] トップページに戻る